科学館を利用する > 展示ガイド > 展示フロアマップ > 光学望遠鏡のしくみ
望遠鏡はその口径に応じて光を集めることができます。そのため口径の大きい望遠鏡を使うことで、肉眼に比べて遥かに暗い天体をより詳しく見ることができるのです。望遠鏡が光を集める方法はおもに3つあります。1つはレンズを組み合わせて使う屈折望遠鏡、2つめはレンズの代わりに凹面鏡を使う反射望遠鏡です。3つめは、2つを組み合わせた反射屈折望遠鏡で、補正板(レンズの一種)と凹面鏡の組み合わせがよく使われます。
この展示では、それぞれの形式の望遠鏡のカットモデルと光路を示すレーザー光線で光学望遠鏡のしくみを紹介します。
【望遠鏡の倍率】
望遠鏡の倍率は、次の計算で分かります。
【倍率】 =【望遠鏡の焦点距離】÷【接眼レンズの焦点距離】
例えば、名古屋市科学館の屋上にある望遠鏡は焦点距離が8000mmです。ここに焦点距離40mmの接眼レンズをつけると、200倍になります。
望遠鏡の倍率は高ければ高いほどものをよく見られるわけではありません。倍率を高くしすぎると像が暗くなるとともに、ものをはっきりと見られなくなるのです。実際に使用できる最大の倍率は、およそ望遠鏡の口径をmmで表した時の数値です。例えば口径が6cmの望遠鏡では、6cm = 60mmですので、およそ60倍が限界です。明るい惑星を見る場合などには、さらにこの2倍くらいの倍率でも見やすいことがあります。つまり120倍ぐらいまでが実用的な限界となります。
参考資料
天文アマチュアのための屈折望遠鏡光学入門(2005)吉田正太郎 (誠文堂新光社)
天文アマチュアのための反射望遠鏡光学入門(2005)吉田正太郎 (誠文堂新光社)
文 学芸課 天文係