科学館を利用する > 展示ガイド > 展示フロアマップ > 惑星の動きと万有引力
地球や火星などの惑星が、太陽の回りをどのように動いているのかを教えてくれるのがこの展示品です。中心の穴が太陽であり、打ち出されて回るボールが惑星です。中心に近づくほど動きが速く、遠くになるほどゆっくりになります。
惑星の動きを支配する法則は、17世紀初めにドイツの天文学者であるケプラーが発見しました。
この展示物は旧天文館から移設し、外装を改装しました。内部の曲面およびメカニズムはすべて以前からのものをオーバーホールして使っています。
【ケプラーの法則】
惑星の動きに一定の法則を導き出したのが、ドイツのケプラーでした。その法則は3つの法則から成り立っています。
(1)第一法則 楕円軌道
惑星の公転軌道は太陽を一つの焦点とする楕円軌道である。
(2)第二法則 面積速度一定
惑星と太陽を結ぶ線は、等時間に等面積を描く。
(3)第三法則 公転周期
惑星の公転周期の2乗は、公転軌道の長半径の3乗に比例する。
【展示品のボールが転がる面について】
ボールが転がる面は、中心に近づくほど傾斜が大きくなるロート状の形をしています。この形によりボールは中心では速く、周辺ではゆっくりと動くようになり、惑星と同じ動きをするようになります。
【ケプラーの法則の発見について】
ケプラー(Johannes Kepler 1571年〜1630年)は先生のチコ・ブラーエが行った火星の精密な観測の結果を整理することにより、惑星の運動の法則を見つけだしました。
また、惑星がそのような動きをするカは、惑星と太陽のあいだのある種の「磁気」的相互作用によるものであると考えました。これはニュートン万有引カの発見により、間違いであることが分かりましたが、ケプラーの発見は、その後の天文学の発展に大きな影響を与えました。
参考資料
星空のはなし(1993)河原郁夫(地人書館)
ニュートンコレクションII「太陽系のすべて」(1992)
図解雑学よくわかる宇宙のしくみ(2006)吉川真監修(ナツメ社)
身近な物理学の歴史(1993)渡辺 愈 (東洋書店)
文 学芸課天文係