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家のつくり1 和室のつくり

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展示作品の狙い

 ふだん目にすることがない、家の壁のむこうには、いろいろな秘密がかくされています。柱はどのように組み合わされているのでしょうか。床下はどうなっているのでしょうか。そして、なぜそのようなつくりになっているのでしょう。
 この展示品では、日本の木造家屋を代表として、床下、天井、壁など、中がどうなっているのかわかるようにして、その機能を解説しています。

知識プラスワン

□土地にあった家
地球上にくらす私たちの家は、その土地の条件に合ったつくりとなっています。たとえば、ヨーロッパには石づくりの古い建物がたくさんあります。これは、石材を積み上げて作る建物で、石材どうしは特につないでありません。日本では、ヨーロッパと違ってたびたび地震が起こりますので、石造りの古い建物はあまりありません。日本に多くある建物は、地震が起こってもその揺れをいわば受け流すような木造のものです。その木造の建物でも、気温、湿度、天候などその土地にあって過ごしやすいような工夫がされています。
□木造軸組工法
日本の木造家屋を構造で分類したとき、代表的な建て方の一つに木造軸組工法があります。これは、柱や梁を組み合わせて骨組みを作り、そのあと壁を作るというものです。柱と梁は木を複雑に削って組み合わせる「ほぞ」や「継ぎ手」でつながれていました。現在では、「ほぞ」「継ぎ手」の他に金具でつなぐ、地面にコンクリートで「基礎」と呼ばれる土台をつくって梁や柱を金具で固定する、壁の中に筋交いを入れるなど、地震により強い建て方をするように法律で決まっています。
□木造枠組壁工法
軸組工法は、建物にかかる重さは骨組みとなる柱や梁で受け止めています。これに対して壁全体で受け止めるような木造建築の建て方があります。これが木造枠組壁工法です。建物にかかる重さや地震のゆれを壁全体で受け止めるので、木造軸組工法よりも丈夫に作ることができます。これはアメリカやカナダで発達したもので、「ツーバイフォー」と呼ばれる工法もその一種です。ツーバイフォーとは、断面が2インチと4インチ(1インチは2.54センチ)の長方形の断面となるような材木を使っているからです。なお、「ツーバイフォー」という言葉は和製英語で、海外では通じません。

 


【 参考資料 】

□参考資料
建築構造(2003)青木博文ほか(実教出版株式会社)
天文年鑑(誠文堂新光社)
理科年表(丸善)
□著者 学芸員 小塩哲朗

 

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