名古屋市科学館

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展示ガイド

小牧隕石

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展示作品の狙い

 2018年9月26日(水)22時30分頃、愛知県小牧市の民家に隕石が落下しました。雨の中、大きな音がして翌朝調べてみると、民家Aの屋根にえぐれた跡があり、庭とテラスに黒い破片(中、小)が落ちていました。隣の民家Bのカーポートの屋根には穴が開き、とめてあった車の屋根やカーポートの梁に傷(後日の調査で発見)がありました。そして民家Bの玄関に黒い石(大)が発見されました。

 展示では隕石の実物(民家Bに落ちた一番大きな破片)をさまざまな方向から見られるようにし、制作した岩石薄片の偏光顕微鏡動画も展示しました。また落下した民家Aの屋根や民家Bのカーポートの一部、そして落下経路の模型を展示しています。

知識プラスワン

 隕石はその岩石的な特徴から、鉄隕石、石鉄隕石、石質隕石に分類されます。今回のものは石質隕石になります。石質隕石には、いったんある程度の大きさの天体を形成した後、破片になったエコンドライトと、太陽系ができた46億年前からの球状の組織(コンドルール)を保持しているコンドライトがあります。小牧隕石は「L6普通コンドライト」に分類されました。
 
 この隕石に含まれるアルゴンガスの分析から44±2億年(形成年代)前に形成され、ネオンガスの分析から2510±60万年(宇宙線照射年代)前に、元の小惑星から割れて小さな破片となったことが示されました。多くのL型コンドライトが2000-3000万年の宇宙線照射年代を示すことから、Lコンドライトの元の天体(小惑星)が、小惑星同士の衝突によって多数の破片となり、そのなかのいくつかが時々地球に落下していると考えられています。

 


【 参考資料 】

さらに詳しい解説を下記「小牧隕石」webページに公開しています。
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/astro/komaki.html

国立天文台では下記のwebページで、日本の隕石の一覧を公開しています。
https://www.kahaku.go.jp/research/db/science_engineering/inseki/inseki_list.html

 

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