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声や音は空気の振動であることを体感できます。発声の仕方によってスクリーンに描かれる模様が変化することを楽しんでもらいながら、音と振動の関係について知ることができます。
【展示品のしくみ】
展示品にむかって声を出すと、反対側に張られた膜がふるえます。膜は光を反射する素材でできていて、レーザー光を反射するようになっています。膜がふるえるとレーザ光の反射する方向が変化して、スクリーンにレーザ光の模様が表れます。膜はその素材や、大きさ、張り方によって、特定の音に強く振動します。その特定の音になると、レーザー光が規則的な模様を描きます。
この展示品では、どんな声を出してもきれいなレーザー図形が描けるわけではありません。大きい声のほうがよいのですが、大きければ良いというわけではありません。展示品を扱ってみれば、比較的澄んだ声がきれいな図形を描けることが分かります。
どのような声であろうとも空気を振動させていることは間違いありませんが、膜面をより強く振動させるには、それにあった声というものがあります。簡単にいうと、膜を叩いた時にでる音と同じ声を出した時に、もっとも効率よく膜をふるわせることができます。
膜のふるえによる音というのは、一般的なものでは太鼓の音ということになります。膜のふるえではなく、糸のふるえによって音を出す方法があります。ギターやバイオリンなどの弦楽器のことです。太鼓と弦楽器の音の出方を比べてみると、どちらもふるえ(振動)によって音が出ますが、弦は線という一次元のふるえに対して、太鼓は平面という二次元のふるえになります。二次元になることで、太鼓の膜のふるえは格段に複雑なものになります。展示品で声色を変えると様々な図形、きれいな円や楕円あるいは複雑な軌跡を描くのは、太鼓の膜のふるえに様々なふるえ方があることを示しています。
参考資料
視覚でとらえるフォトサイエンス物理図録(2006)数研出版編集部(数研出版)
文 学芸員 山田吉孝