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原子・分子の世界へと誘う映像展示です。
画面上のスライドバーを操作すると、倍率の異なる微小世界の静止画像が表示されます。一辺が1メートルの世界から10分の1ずつスケールを変えて微小な世界を見ていきます。
【10^(-9)って何のこと?】 *(注)
映像の中で、1辺が10^(-9) mぐらいになると、原子・分子が見えてきます。ところで、この10^(-9)とは何のことでしょう。
これは(10のマイナス9乗)とよび、10億(1,000,000,000)分の1を意味します。
分母の1の後ろに0が9個ついていると考えてください。つまり0.000000001ですが、0をたくさん書くのがたいへんなので、10^(-9)と書きます。
あまり見慣れないかもしれませんが、科学ではよく出てくる表現です。例えば1/100(100分の1) は10^(-2)と書きます。10^(9)のように−がついていない場合は、10億(1,000,000,000)を意味します。
【ナノ】
10億分の1を意味する国際単位系(SI)の接頭語を「ナノ」(記号:n)といいます。
例えば、1ナノメートルは10億分の1メートルです。
1nm(ナノメートル)=0.000000001 m=10^(-9)m
ナノメートルという単位は、原子や分子の世界を考えるときに便利な単位です。1個の分子の大きさは、0.1nmから10nm程度ですが、タンパク質分子のように数100nm以上のものもあります。
ナノテクノロジーとかカーボンナノチューブなど、「ナノ」という言葉を近年よく聞きます。ナノメートルぐらいの大きさの原子・分子を自由に操作・制御することによって、物質の新しい性質や現象を創りだすことが可能になってきました。そうした技術をナノテクノロジーといいます。
カーボンナノチューブは炭素だけでできている円筒状の非常に細長い分子です。その直径は0.5nmから100nmぐらいで、長さは10㎛以上ですが1mmを超えるものもあります。細くて軽く、非常に強いという性質があり、構造の違いで導体のものと半導体のものがあります。究極の半導体として期待されています。
*(注) 10^(-9)は、10の(-9)乗を意味しています。
参考資料
新・分子の世界(1995年)分子科学研究振興会(化学同人)
分子と人間(1990年)アトキンス(東京化学同人)
NEDO技術開発機構「ナノテクノロジー・材料」
http://app2.infoc.nedo.go.jp/kaisetsu/nan/nan07/index.html#elmtop
Nikonユニバーススケール http://www.nikon.co.jp/channel/universcale/index.htm
文 学芸員 石田 恵子